このウェブサイトでは、ヴァンダ・プランツニツカの著書、「霊に依る憑依〜 21 世紀の除霊」からの引用文が見つかります。
様々な恐怖症や強迫観念を持った人達がいます。時おりそう云う人達は、 日常に於いてある程度普通にやっていけるので、周りの人 はそれに気付かないかもしれません。しかし、もっと強烈な恐怖症を持っている人達は、生活全体が恐怖症に支配されてしまいます。そして非常に稀にその人の生活だけではなく、家族全体の生活が巻き添えを喰ってしまう事があります。恐怖症が余りにも強すぎて人の生活が崩壊した例もあります。恐怖症に苛まれている人達は、一生それと付き合って行かなければいけないと信じています。恐怖症が幽霊と憑依に結びついているとは思ってもいないでしょう。感染恐怖症、高所恐怖症、広所又は閉所恐怖症、手を洗わずにいられなかったり、絶えず掃除をしたり、点検したり物を定位置に直さないといられない強迫観念症と、どれも大きな違いはありません。こう云う人達は同じ様な方法でなんとか生きています。除霊後、今迄余りに怖くて出来なかった事が突然出来るようになる迄、彼等は違う生き方が出来る事に気が付きません。
一度解放されてしまうと、その人達は今迄禁じられていたと思っていた事を絶え間無く繰り返して、まるで子供の様に振る舞います。高所恐怖症だった人は出来るだけ高い所に上り、広所恐怖症だった人はもう部屋の中にいたくなくなる等々。
数年前に私は或るイベントに参加して、その時にインタビューを受けました。すると突然、私の前に女性が立ちはだかりました。その人は非常に怯えていて、息を切らしていました。彼女は私の手を取りました。まるで助けて下さいと言わんばかりに、私の手をギュッと握って離さないのです。沢山の人の面前でこれは起こりました。彼女は私に顔を向けた儘、誰とも話をしませんでした。そうしたら会場は大騒ぎになりました。イベントの主催者が用意してくれた部屋に私は彼女と移動しました。過去十四年間、彼女は自分の家、もっと明確に言うと自分の小さな部屋から出た事がなかったのだそうです。彼女は向かいの廊下のトイレにも一人で行けなかったそうです。私のいた建物にどうやって来たのか彼女に聞きました。彼女は私のインタビューの生放送をテレビでずっと観ていたそうです。そして何も考えずに彼女は跳び上がって、家か#12425;駆け出しました。私を見付けるにはもう遅過ぎるのではないかと云う不安が彼女を駆り立てた動機でした。家を出た数分後、恐怖症が出てどうにもならなくなったそうですが、引き返すにはもう遠過ぎるので、其の儘真っ直ぐ走り続けたそうです。「そんなこんなで、私、此処に来ました」と言って彼女は泣きました。その言葉の中には、大きな希望と決心があったので、私は心打たれました。私の目からも涙が流れました。数時間、私達は一緒に過ごしました。彼女は落ち着きました。そして長年自分を抑え込んでいた恐怖は無くなり、私と一緒だったら何も怖くないと言いました。それから最悪の事態になってしまったのではないかと心配して彼女の家族がやって来ました。家族は数時間、必死になって彼女を捜したようです。それから私は自宅に戻りました。
非常に喜ばしいと同時に愉快だったのは、彼女が数時間毎に電話をして来て今何処にいるかそして、自分の部屋にはもうあまり居ないと話してくれた事です。実際に彼女は寝る為にしか自分の部屋には帰らず、起きたら又新しい自由を満喫しに外に出ると言っていました。