このウェブサイトでは、ヴァンダ・プランツニツカの著書、「霊に依る憑依〜 21 世紀の除霊」からの引用文が見つかります。
前の方で書いた様に、幽霊が宿主から出て行くより、中に入る方が簡単なのです。そして、入ってしまった宿主が自分にとって居心地が悪い場所になってしまう事もあり得ます。もし生きている間に死後の計画を練っていたとしたら、幽霊は自分にピッタリ合う宿主を探すでしょう。その幽霊が選ぶ人は全ての面で自分と相性が合わなくてはいけません。それは友達を選ぶのに少しだけ似ています。或る友達は自分と相性が良く合って、他の友達はそれ程でもありません。ある人といると私達は義兄弟であるかの様に感じますが、間違った人とだと一言も口をきかなかったりします。幽霊が全てを深い所まで知っている人は、大抵家族の一員か友達です。そうなると幽霊にとって憑依の作業は容易になります。
葬式の直後や喪中に私達は自分を幽霊に解放して、恐らく気付く事も無く進んで幽霊を自分の中に入れてしまいます。それはどう云う結末になるか分かっていないからです。大体それはその幽霊にとってピッタリと相性が合う人なのでしょうが、如何に相性が合ってもその人が幽霊に侵入を許さなければ憑依は起こりません。
ですので、自分の選んだ犠牲者にどうやっても取り憑く事が出来無いと云う事も起こります。幽霊は虎視眈々と機会を狙いますが、成功するかどうかは狙われる人にも依ります。その幽霊は全く成功しないかもしれません。通常の精神状態に於いてはセンサーの様に防御機能が働いていますから、誰かが侵入しようとしている警告を発してくれます。しかし、その防御を失ったり、自分が分からなくなったりする事も在ります。アルコールや薬物を摂取した後、如何なる変則的な意識状態(煙草を吸った後でさえも!)にある時、意識を失った後、頭に酷い衝撃を受けた時、全身麻酔を用いた手術の最中、こう云った状況でそう云う事が起きます。それは私達に知られず許可も無しに私達の体を乗っ取る幽霊の絶好のチャンスなのです。時に幽霊は残して来た人に悪く思って、暫く居残る事を決めます。そして、未だ力が残っていてあの世へ旅立つ潮時にこの世に居付いてしまいます。そうするともう選択の余地はありません。暫くすると、幽霊はこの世に居辛くなり、成仏したくても出来無くなってしまいます。同じ状況は相性の合わない宿主に偶然宿ってしまった幽霊にも起こります。こう云う場合幽霊がその人に憑いた理由を考えても意味がありません。幽霊は様々な方法を試して宿主から脱出しようとするでしょうが効果はありません。幽霊にとっては牢獄にいるか、それよりも酷い感じです。牢屋では体の自由がききますが、其処はまるで窮屈な檻の様です。此処で幽霊には二つの選択があります。宿主が自然死する迄待って解放されるか、自殺させるかです。勿論、自殺と云う死に方はこの世でもあの世でもあってはならないものです。人を自殺に追い込むのは幽霊にとって、私達が思う程容易ではありません。それは普通の健康な人間には非常に強力な生への欲求が刻み込まれているからです。もし誰かが命を奪おうとしたり、命を落としそうになったりすると自らを救う為に命が一層の力を放出するのです。
それでは、どうやったら幽霊が策略を実行に移せるのでしょうか?先ず意識を完全に占領して宿主を周りから切り離してしまいます。これに気付かない内に、その人は自分の中に引き籠り近親者と連絡を絶ってしまいます。日常で果たさなければいけない使命が非常に重くなるか、全くそれを果たさなくなります。幽霊は無理矢理宿主から全ての人を遠ざけてしまいます。その宿主がいると不快感があったり、寒気がしたり、不愉快に感じたりしますので、人は尚更にその宿主を避け、宿主も彼等を避けます。幽霊は周りの人達に対して宿主に攻撃的な態度を取らせますから、宿主は取るに足ら無い様な事で絡んで来て喧嘩を始めるかもしれません。大抵宿主はそんな事に嫌悪感を抱いて、ほんの少しの間で良いから自分の見ている悪夢を忘れたいと思って逃避の道を探ります。そうすると彼等は、酒や薬、がむしゃらに働く事で悪夢を忘れようとします。それは、その人だけの問題であって、人は自由に自分の人生を生きる権利があると云う事で、最愛の人、友達、知り合いが時たまこう云った問題に介入しない事があります。大抵そう云う人達は自分自身の事、自分の家族への責任、自分の仕事の事で頭が一杯で、隣にいる人に助けが必要な事を気付いてあげられません。宿主の中に潜んでいる幽霊との長い闘いの後、人はその人の振る舞いでもう十分傷付けられたので、自分の前からその人が消えてくれたら良いと結論を出してしまいます。これは正に幽霊が何よりも望んでいる事です。即ちそれは、宿主を完全に孤立させる事。人は幽霊の仕業を宿主の悪意の所為だと捉え、そして宿主も全く同様に全てを相手の悪意と捉えます。
人は自分と宿主の間に、見えない操り糸を引く幽霊に依って占拠された大きな溝が在る事に気が付きません。人は憑依された人間から離れて行き、憑依された人間も人から離れて行きます。幽霊は離れて行く人間等端から気にしておらず、宿主は絶望の深みに嵌まり自殺して相性の合わない自分から幽霊を解き放ってやる一歩手前に来てしまいます。そして宿主にとって人生は生きる価値も無い様に思い始めます。しかし、どうやってそんな事が可能になるのでしょう?それは、全てを宿主にとって滅茶苦茶に不愉快にして其処に追い込んで行くのです。何をやっても駄目だと思い込ませるのです。これは、間違った事を指摘して直してあげる建設的批判なんかではありません。自分は役立たずの屑で、何の価値も無い、人でさえ無く、物であるという処に宿主を追い込むのが幽霊の狙いなのです。宿主に未だ多くの自意識が有り、生き甲斐もあって、周りから愛され受け入れられている等の自覚が在る最初の内は宿主を操るのは最高に至難の技です。しかし、陰謀か偶然で宿主が精神的に落ち込むと、その人を鬱にし易くなります。もし、こう云った幽霊の画策に屈せず、家族や友達から宿主が支援を受け続ければ、自殺へ追い込もうと云う幽霊の計画が潰し易くなります。自分の親しい友人が引き籠りになって絶えず絶望に苛まれていたら、それは助けを探し始めた方が良いと云う警告のサインです。しかしそれは非常に容易く見過ごされてしまいます。只、有能な霊能者を見付ければ済む事であったと云う事で一生後悔する様になってしまいます。患者は霊能者の所へ出向く必要も無く、遠隔除霊をするには霊能者に電話か手紙で連絡するだけで十分です。多くの人が上記の症状を軽く見てしまったと言っていました。時には一家族に何人もの自殺者が出る事があります。
これをゾッとする様な恐ろしい方法で経験する人もいます。幽霊は家族の一員を自殺に追いやりそして、今貴方を自殺に追い込もうとしているのです。こんな事は前以て防げたのではないのでしょうか?此処でイギリス人の家族に起こった事を聞いて下さい。其処の家庭のご亭主が自殺をしてしまいました。長年連れ添った配偶者を無くした者としてその奥さんは悲しみましたが、長い間悲嘆に暮れている云う事はありませんでした。二人は心の通い合った夫婦と云う訳では無かったのです。数ヶ月後、今度は彼女の娘が自殺してしまいました。これは彼女を大いに震え上がらせました。父親と娘は、強い絆があった為だと彼女は説明付けました。すると彼女も突然、自分に自殺しろと言う声を聞き始めたのです。その時、前の二人の自殺の裏に何があったのか彼女は気が付いたのです。彼女は助けを求め始めて、私を見付けました。もしもっと注意深ければ二人の命を救えたであろう事を彼女は理解していました。幽霊は簡単に祓う事が出来て、その後他の家族が被害を受ける事はありませんでした。
宿主が自殺の誘いに乗らない時、今度は殺人を示唆する事も有り得ます。多くの国々で殺人の量刑は死刑だと云う事を幽霊も承知しているのです。宿主から出られれば良いのですから、その人が何をしようが幽霊には関係無いのです。最終的に宿主が死んで、幽霊が自由になれば、それで良いのです。